KYODO HOUSE -Art of Living 近藤ヒデノリのブログ

クリエイティブディレクター\編集者\ソーシャルアクティビスト 近藤ヒデノリのブログ

地域の未来の話/横浜、寿町へ

午後、季刊誌『広告』次号の取材で地域プロデューサー、小松俊昭さんの事務所で話を伺う。金沢工業大学産学連携室のコーディネーター/LLC家守公室代表として全国を飛び回り、新しい価値を生み出している人たちに会って、彼らをつなぎ、新しいコミュニティーを生み出している小松さん。元々は別府が縁で、そうした様々な地方で価値を生み出す人の集まりにTSで招いて頂いたのがお会いしたきっかけでした。

都市と地方での価値基準の違い、会社や学校や家族を越えた関係について、価値観を共有するコミュニティについて……話を聞きながら近代以降の大量生産、大量消費をベースにした都市の時代から地域やコミュニティーの時代へ、大から小へ、単一から多様さへ……そんな流れが徐々に生まれ始めていることに改めて希望を感じじつつ、マス媒体や広告で仕事をする僕に何が出来るのか、個人として TOKYO SOURCEで何が出来るのか考えさせられます。

夕方から、日本三大ドヤ街のひとつでKOTOBUKI クリエイティブアクションを行っている橋本さん、河本さん、三宅さんらと打ち合せで横浜、寿町へ。まずは、三宅さんに案内して頂いて街を歩く。石川町からすぐ、中華街の反対側なのに雰囲気がまったく違う。かつては日雇い労働者の街だった数百メートル四方のこのエリアだが、その後、仕事もなくなり、住人が高齢化し、今やこの5000人弱の人口の80%は生活保護受給者が暮らしているという。


このあたりに並ぶ建物はほぼすべて一部屋3帖の簡易宿泊施設。1泊1500円とか2000円。ベランダに設置された室外機の感覚の狭さが普通じゃないです。

NHKでも紹介されていたのNPOの経営するローソンの期限切れ間近な食材を使った料理を出す定食屋さん。

空き物件を利用して外国人バックパッカーに向けたホステルも出来始めてはいる。こういう風に外部の人が少しずつ入ることは大きいと思う。

ホステルの屋上、意外と気持よかったりもする。

KOTOBUKI クリエイティブアクションの事務所が入っているビルにて、ディレクターの橋本さんと、デザイナーの長島と。

河本さんによれば、孤独死する人も年間500人?!もいるとか。橋本さんが言っていた「日本社会の未来の暗部がこの町に凝縮されているのかもしれない」というのが印象に残った。そんなこの街をアートを通じて元気にして行こうとしている彼らの活動。デリケートな問題も多いし、簡単ではない。僕も自分のできることで協力していきたいと思う。