「20世紀美術探検」@国立新美術館
去年にひきつづき、年初に自分のPowerBookがクラッシュ。ふつうに使っていたら突然ぷちっと切れて、気づけば金属の焦げたにおいと煙が出ていた…。とりあえず今、データレスキューに出しているところだけど、一台PCがクラッシュしたくらいで、これだけ暗澹たる気分になるのも耐えられないので、早速自宅用にもう一台、仕事道具だからと思い切ってi-mac20inchを購入。画面がでかいってやっぱり気持ちいい。
先週末、乃木坂にオープンした国立新美術館での「20世紀美術探検」オープニングパーティーに行ってきた。当日はこの展示のほか、美術館を設計した黒川紀章(袴姿の本人も会場に)を振り返る展示、日本のメディアアートの歴史を特集した展示もあって盛りだくさん、とにかく広い。客も大勢でテレビで見るような方もちらほら。
黒川氏を読み解くためのキーワード7つくらい(メタボリズム、共創など)を見てその先見の明に改めてうなるが、ガラスがうねる建物外装はかっこいいものの、展示壁に公募展にみられるようなレールが走っているのが何ともダサイ。とくにミニマルな作品の作家だと、視界に入るレールがどうしても気になってしまう。館内の広い吹き抜けの中央に位置するレストランは天気のいい日にランチなんか食べたら気持ちいいだろうなと。ちょっと高そうだけど。
「20世紀美術探検」展自体は、文字通り20世紀の美術を駆け足で振り返ろうという多分に教育的/啓蒙的なもので、00年代以降の現代美術は世界からわずか5人ほどと刺激は少ないが、20世紀初頭から現在へと続く歴史の最後に展示していた友人の田中功起だけが気を吐いていた。彼の今回の展示は、日常にあるモノを使った極めてシンプルなビデオ作品、写真作品が広大なスペースに散在する。それぞれは文字によるインストラクション(キャンバスにカラフルな絵の具で描かれている)をべースに、物理法則に従って淡々と、ただ何かが起きている、何かがただそこにあるというもの。そんな作為のなさと偶然性、一回性が、使われた日常のモノたちのカラフルな色と相まって、何か貴重な美しい体験を感じさせる。