KYODO HOUSE -Art of Living 近藤ヒデノリのブログ

クリエイティブディレクター\編集者\ソーシャルアクティビスト 近藤ヒデノリのブログ

「4次元」トリン・T・ミンハ

嵐のような広告仕事の某お茶のプレゼンラッシュも一段落つき、
横浜美術館でやっているイメージフォーラムフェスティバルへ。前々から気になっていたベトナムの映像作家、トリン・T・ミンハの映像作品「4次元」を観る(ちなみに関東ではこの作品はこの日しか観られない)。
80分ほどのこの作品は、彼女が日本を旅をする最中に撮ったビデオ映像に彼女の社会学的、哲学的なモノローグが断片的に挟まっているという構成。様々な祭りやストリートダンス、お寺の建築様式、車窓からの風景などを絡めながら、そこに内在する様々な儀式や思想について彼女の思ったことを、夏目漱石松尾芭蕉大江健三郎道元などの引用を絡めながらモノローグとして載せている。
クリス・マーカーの「サン・ソレイユ」や、ヴェンダースの「都市とモードのビデオノート」あるいはゴダールの後期の作品などを思わせるこのスタイルに僕は今とても興味がある。ドラマチックな事件や出来事を題材にしたジャーナリスティックなものではなく、日常を題材にしたドキュメンタリーでありながら、それを普遍的な思考へとつなげていく詩的なフィクションとなっている。寡聞でこういう作品を他にあまり知らないのだけど、僕は今、こういうことを「100 bit」という本という形式でやってみたいと思っている(今、ある出版社と交渉中なんだけどページ数の問題でどうするか検討中。)

映像アートの祭典

多文化を生きる?境界のとらえかた