KYODO HOUSE -Art of Living 近藤ヒデノリのブログ

クリエイティブディレクター\編集者\ソーシャルアクティビスト 近藤ヒデノリのブログ

深沢直人、佐野研二郎、サネヨシ

天気がよかったので、散歩がてらバイクで表参道界隈へ。ROCKETで行われている同僚の佐野研二郎の個展を見て、その後WATARIUMでやっている深沢直人「ありそうでないもの展」を見る。それぞれ広告/プロダクトデザイン分野で大活躍している二人、年齢も違うし主に活動するジャンルも違うのだが、同じ時代の空気を吸っているせいか、どこか共通点があるる。ポップな色使いで、「かっこいい」というよりも「かわいい」を感じさせるということもあるけど、何より日常をちょこっとしたユーモアや、発想の転換で楽しくしようとしているところ。深沢さんは特にプロダクトという、きっと広告やグラフィックよりもさらに制約が多そうな中でやっているところがすごいと思う。錦ゴイをモチーフにしたINFOBARの携帯は「そうだよ、これだよ!」って思わせる程美しいくて使いやすそうだし、あんな陶器のように美しい加湿器も見たことがない。(ちなみに最近出たマーク・ニューソンの端末も久しぶりに物欲をそそった数少ないものだ。これもau。ドコモは相変わらずPreminiくらいしかいいのがない。)
一方で、展示に物足りなさみたいなものも感じたのも事実。ポップで美しいし、けっこう面白いんだけど、思考に刺激を与えてくれるというか、脳の鱗を落としてくれるような感覚はない。それはやっぱり現代アートの分野なのだろうか。
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その後、ON SUNDAYS〜NADIFFとお気に入りの本屋をはしご。懸案中のプロジェクトの資料を探し、いつものように親切な草野さんの紹介で何冊か購入。その後、餃子屋へ。うまい。

帰り途、西麻布の交差点そばで降り、さして当てもなくどこかで飲もうと崇と歩いていると、見覚えのある濃い顔に出会う。大学時代の友人のサネヨシ、卒業以来だ。なんかお互いうれしくて、そのまま近所に住む彼の家へ。3人でいろいろと話し込む。3年前ほど前に親の夜逃げ、離婚、某大手不動産会社からのクビ宣告が重なり、一時はホームレスだったという。どこまでホントかわからない話も面白いが、それより長いブランクの後でそれを自然に聞けてしまい、B・フラーの話をはじめ、お互いシンクロできるのが面白い。ついでに、こういう出会いがあるから東京は面白い。たまには「書を捨てよ、街へ出よう」、楽しいことは「路上」にいろいろ転がっているのだ。深沢直人もそんなようなことをいっていた気がする。

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