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KYODO HOUSE -Art of Living 近藤ヒデノリのブログ

クリエイティブディレクター\編集者\ソーシャルアクティビスト 近藤ヒデノリのブログ

田中功起「言葉にする」

アーティストの田中功起くんから最近のビエンナーレなどでの活動の様子とともに、新しいプロジェクト「言葉にする」が送られて来た。自分が今、話したい人と日本語で真摯に会話を行い、その肉声をポッドキャスティングで配信していくというもの。第一弾はアーティストの奥村雄樹との話でその1から4まで3時間近くもある。僕はまだ3までしか聞いていないけど、この2人の対談は以前にTSで企画した公開トークショーでも行ったことがあるので、それから2年くらいの時をおいて続きを聞いているようで面白い。ポッドキャスティングという形式が今、どうなのかとか、どれだけの人数が聞くかなどメジャー/マイナーという図式ではなく、限られた層に向けた(ある程度)シリアスでコアな話が聞ける快楽。TSをやり始めた理由もそうだったけど、表現にまつわる密度のある会話を自分が求めていることを改めて思う。


田中功起「言葉にする」

また、これまでは自身のホームページも英語のみ表記だったりと明らかに日本国内よりも世界のアートシーンと接続することに主眼が置いていた(アートマーケットの中心が英語圏にあることを思えば当然だろう)彼が、日本語でこういうことを始めたということが、僕が今ちょうど読んでいた水村美苗の「日本語が亡びるとき」との関係でも興味深い。

冒頭で田中くんは「(日本語での)ほとんどの発話は、そしてほとんどの文章は、翻訳されることもなく日本語のままぼくたちの目の前を流れていく」ことをネガティブなものとして捉えてきたが、「日本語で話しており、日本語で考えている」中で、「たとえローカルな言葉であっても、そのローカリティーでしかできない会話をすることも必要だろう」と考え、自分の話したい人と真摯に会話した肉声を残していくことにしたという。今後の展開を楽しみにしたい。