KYODO HOUSE -Art of Living 近藤ヒデノリのブログ

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『六ヶ所村ラプソディー』

GW中、2日目。中渓さんの家に泊まった翌日は、近所でたまたま開催されたドキュメンタリ−映画『六ヶ所村ラプソディー』の上映会へ。

この映画は、青森県六ヶ所村原発再処理施設の危険性や、それを巡る人々の生活を長期にわたる取材をもとに伝えるもの。僕自身、六ヶ所村の事情については、去年あたりから坂本龍一さんの「STOP ROKKASHO」でちらりと耳に挟んだことがあった程度だったのが、映画の後で行われたトークショーと合わせて改めて今、現実として進んでいるこの施設の問題を考えさせられました。この施設では、日本各地の原発によって出される廃棄物の再処理を行っているらしい。各所での廃棄物(プルトニウム)が巨大な弾丸のように密閉され、続々とトラックや船でこの地に運び込まれるところが
映し出されていたが、万が一、それを積んだトラックが事故にあったり、地震にあったりして中身が溢れたら…即、チェルノブイリの二の舞である。


フランスで再処理された高レベル廃棄物体の受け入れ〜キャスクを点検する作業員

以下、僕がこの映画やその後のトークショーで知った事。(細かいところ違ってたら、教えてください)

廃棄物の再処理は、とても難易度が高く危険性を伴うものであること(イギリスの同様の施設では近年事故が起こり、永久に凍結させたとか)。地上高く立てられた煙突から日々、放射能を含む煙が空に出されているということ(当然、風に乗って周囲にまき散らされる…)。海岸から3キロあまり離れた場所までパイプが延ばされ、そこでこの施設から放射能を含む液体が垂れ流されていること(これも海にまき散らされる…)。もちろん、施設側や、その論拠とされている大学教授は「大気や海水の流れで分散されるので安全です」とは言っている…だけど、同じようなことを「イタイイタイ病」などの時も言われていなかったか……?

原発では、必ずプルトニウムを含む廃棄物ができてしまうらしい。そして、その処理にはどえらく時間がかかるという。火力発電に比べて地球温暖化にはいい、というように宣伝もされているが、実はその過程で海に排出される高温の廃液によって海水の温度を上昇させてしまう。また、原発は火力発電のように、電力受容の増減によって止めたり稼働させたりもしづらいということ。危険性を考えて遠くに設置するので、送電によってロスが生まれやすいこと。そして何より、発電効率が(火力や天然ガスに比べて)相当に悪い発電方法だとか。

では、温暖化問題も含めて、現状ベストの発電方法は何なのか? その答えは、天然ガスによる火力発電をメインに(発電方法が改良が最も進んでおり、発電効率が高い。原発と違って都市のそばに発電所を作れる。そのオン/オフも比較的容易なのがその理由だとか。)、その他の風力発電などクリーンな方法を組み合わせ、みんなで少しずつでも節電していくことらしいです。


上映会に行く途中で見た風景。原発とは何の関係もなし。