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KYODO HOUSE -Art of Living 近藤ヒデノリのブログ

クリエイティブディレクター\編集者\ソーシャルアクティビスト 近藤ヒデノリのブログ

北米パーマカルチャーツア—レポート

クラウドファンディング中の出版プロジェクト「都会からはじまる新しい生き方のデザイン/URBAN PERMACULTURE GUIDE」の関連で先日行ってきたシアトルのオーカス島やポートランドへのツア—レポートを書いたので載せておきます。

 

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今回のツア—に参加した7歳から67歳までのバックグラウンドも多様で愉快なメンバーたち。パーマカルチャーファームを始めたブロックス兄弟とゆりこさんたちと一緒に。

 

こんにちは!今回の本の編集をしている近藤ヒデノリといいます。先日、東京アーバンパーマカルチャー(TUP)主催の北米パーマカルチャーツアーから帰ってきたので、早速、ツアーレポートを本の内容とあわせて紹介します!

僕自身、去年の今頃までは「パーマカルチャーって?聞いたことはあるけど…」という程度だったのですが、ワークショップでソーヤー海くんに出会ってから、パーマカルチャーをより深く知りたくなって今年から本の編集に参加。ぐんぐんとその魅力に惹かれ、今回のツアーは本で紹介している内容を実際に体験するのが目的でした。

ブロックスパーマカルチャーファーム

 

まずは、ツアー前半の目的地であるシアトルの北にあるオーカス島、パーマカルチャーファームへ。30年ほど前にブロックス三兄弟が始めたこのファームには、毎年様々な国から研修生が滞在しており、ソーヤー海くんもパーマカルチャーを学んだ場所。今回の本では「EDIBLE(食べられるもの)」の章で紹介してますが、ここはまさに自然の楽園。至るところにプラムやラズベリー、リンゴ、イチジクなどが実り、散歩しながら食べ放題。そして、果樹の下を見れば、アヒルやニワトリが畑を耕している。手作りのサウナの温風が温室内をあたため、屋根から落ちる雨水の下には果樹が……自然の摂理をベースに様々な関係をデザインするパーマカルチャーを思いきり体感しました。

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ブロックスパーマカルチャーファームでの昼食は自然の恵みをみんなで調理。

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ここではすべてがDIY。ソーラーオーディオからはiphoneの音楽がガンガン流れ、夕日を見ながら絶景ソーラーシャワー、鹿の解体も自分たちで。家も工夫を自然の力を上手く生かしたDIY。この本も、背景にある重要なテーマは受けとるだけの「消費者」から、自分の生活をつくる「創造者」へシフトすること。「DIY」の章ではその実践アイデアを紹介しています。

ブロックスで感じたもう一つの大きなことは、自然からの「GIFT 」の偉大さ。人間が自然に内包される存在であるということ。効率性や合理性、分業を重視する資本主義社会で自然から切り離され、忘れられてきた生活の原点がここにあるという気がしました。日々、自然から大きなギフトを感じているから、そこにいる人にも自然とギフトの心が生まれる。だから、みんなとても優しい。今回の本でも「GIFT」の章で、ギフト精神をベースにしたギフトエコノミーを紹介しています。

 

アーバンパーマカルチャー in ポートランド

 

ツアー前半で田舎で自然を満喫した後は、全米で住み易さNo.1の街として注目されているオレゴン州ポートランドへ。本のテーマでもあるパーマカルチャーの都会での実践を、様々なコミュニティー農園やシェアハウスを見てまわります。

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こちらがポートランドで始まった交差点リペア第一号。シティリペア運動の創始者であるアクテティビスト、建築家のマーク・レイクマンさんに案内して頂きました。ある少女の自動車事故をきっかけに、住民で集まってみんなで交差点をペイントしたそうです。四つ角には住民のための24時間ティーステーションやミニ図書館、キッズステーションなども。

土地が限られている都会では自然のデザインだけでなく、孤立しがちな住民同士をつなぐデザインも大切。今回の本でもそんな家のようなプライベートな場所とパブリックな場所の「EDGE(境界)」で様々な工夫を紹介しています。

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ポートランドのフードコープ第一号店にあった看板。芝生でなく、食べられるフードを植えていこう!というメッセージ。

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日本でも増えつつある、アパートに隣接したシェア農園。「足るを知る」という言葉と仏教に影響されて始めたとのこと。都会でも人糞コンポストや下水処理も工夫して、ミツバチやニワトリも、コウモリの巣箱まで。都会でも自然とつながる暮らしはつくれる!

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個人宅でも、裏庭には多様すぎる種類のガーデンからザクザクと収穫が。ニワトリ小屋も、屋上にはソーラーパネルやミツバチの巣も。都会の暮らしに無理なく楽しく自然を取り入れる工夫が沢山!

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シアトルのフレンチレストランの屋上も様々なハーブを植えるリビングルーフになっている。

 

そんなこんなでとても書ききれない……毎日、様々なパーマカルチャー実践者に会って家やアパート、コミュニティーガーデンなどをまわり、夜はパーティーという超高密度なツアーでした。今回の本でももちろん、ツアーで見てきたことを盛り込んでいくつもりですが、僕自身この12月の引越に向けて建築中のシェアハウス兼秘密基地、KYODO HOUSEでどんどん実践していきたいと思っています。EDIBLEな果樹を植えたり、リビングルーフ、ピザ釜、コンポスト、蜂の巣をつくったり、シティリペアのように地域の人とつながる活動などをやっていきたい。

今回のツアーで確信したのは、そうやって一人一人が自分の暮らしや生き方を変えていくところから大きな変化は生まれてくるということ。パーマカルチャー創始者の一人であるビル・モリソンも元々は環境活動家だったのが、「反対するだけではなく、まずは自分で理想を体現してみよう」というところからパーマカルチャーを始めたとか。交差点リペアも、まずは住民みんなで交差点をペイントしたところから州の法律も変え、オレゴン州全体に広がっていった。一人からみんなへ。民から官へ。まずは「やっちゃおう!」のDIY精神の大事さを改めて感じています。


最後にもう一つ印象に残るのが、ポートランドで会ったパーマカルチャーデザイナーのデイブがよく口にしていた「BIG PICTURE」という言葉。あらゆるものが分業化され、対処療法ばかりの社会だからこそ、その土地、自然、人間の関係の全体を見てビッグピクチャーを描くこと、そこから様々な関係をつなぎ直していくパーマカルチャーの考え方が大切になっているのだと思います。


今回の本は「都会からはじまる生き方のデザイン/URBAN PERMACULTURE GUIDE」というタイトル(予定)ですが、パーマカルチャーはその土地や人によって無数の可能性があります。この本をきっかけに、東京ならではの、田舎ならではの、新しく楽しい動きが始まってくることを願っています!


出版プロジェクトのクラウドファンディングの応援・拡散をよろしくお願いします! 

 

近藤ヒデノリ

1971年東京生まれ。1994年博報堂入社後、ニューヨーク大学大学院/国際写真センター(ICP)を経て9.11直前に帰国。近年はクリエイティブディレクターとして「いろはす」「ヤフオク」「TOKYO ART MONTH」などソーシャル・カルチャー系の広告を制作するほか、個人として「東京発、未来を面白くする100人」を掲げたWebマガジン「TOKYO SOURCE」編集長、アーティストとめぐる体験ツア—企画「cultra」、湯を通じた対話をテーマとした「湯道」他、雑誌や書籍の編集、イベントなど草の根でカルチャーを盛り上げる活動を行っている。この冬に引っ越し予定の「アートと環境」をテーマにしたシェアハウス/秘密基地のKYODO HOUSEにワクワク中。旅とサッカーとハンモック好き。