KYODO HOUSE -Art of Living 近藤ヒデノリのブログ

クリエイティブディレクター\編集者\ソーシャルアクティビスト 近藤ヒデノリのブログ

華麗で、美しく、ひ弱な、U17サッカー日本代表

このブログではあまりサッカーのことを書いたことがなかったけど、一応、中学高校とサッカー部だった頃からのサッカーファン。ただ、Jリーグが始まるにつれてサッカーファンが増え、隣で大声で見当違いなことを叫ぶ人に囲まれるにつれて、どんどんクールダウンしていった天の邪鬼です。

それでも、トルシエ率いる小野伸二、本山、高原ら「黄金世代」がU20ワールドユースで準優勝という快挙を成し遂げた頃から夢を見始め、オリンピックと日韓ワールドカップを経て、ジーコの丸投げ采配に落胆しつつも応援し、前回のドイツでのあまりにも無念の敗退に、フィールドに倒れ込んだ中田英寿同様、夢が冷めていったのでした。その後、オシムのドタバタ就任で再び「日本独自のサッカー」という夢を見始めるも、彼が倒れて岡田監督が就任するとともに再び夢はしぼんで今に至っていた。

そんな中、先週末から昨日にかけて行なわれていたU17ワールドカップの3試合を見て、「これは…ひょっとして久々に、再び夢が見れるかも!?」という気がしたのでした。すでに「プラチナ世代」とも言われている彼らは、残念ながら予選リーグ3戦全敗で予選敗退となってしまったが、日本のサッカーの10年後に少し希望がもてたのは確かでした。

何しろ、その攻撃が華麗で美しい。
ブラジル相手に2−3、スイス相手に3−4、メキシコ相手に0−2。数字だけではわからないけど、その華麗なテクニックとパスワークの美しさ、脆さを含めてプラティニ時代のフランス代表を彷彿とさせる。

そこに加えて日本人ならではの圧倒的な敏捷性、繊細なテクニックと、集団でのパスワークから生まれる流れるような攻撃の数々。若きブラジルが、スイスが、メキシコが完全に翻弄されるのをどれだけ見たことか。シュート力はまだまだだけど、そこに行くまでの美しい決定期の数だけでいえば、4チームの中でもダントツ多かったのではないか。

その代わりに、何のひねりもない縦パス一本のパワープレイで簡単に点をとられてしまう…。手間ひまかけた日本の美しい点のとり方と、圧倒的に簡単で無骨な相手チームの点のとり方。この辺は対格差のある日本の永遠の課題だろうし、若いチームの守備力の拙さや、ゴールキーパーの未熟さにもあるだろう。

ともかく宇佐見を筆頭に、華麗で、美しく、ひ弱な、まるで平安貴族のような若き日本代表チーム。でも、ひょっとすると、これが志半ばに倒れたオシムの「日本独自のサッカー」なのかもしれない…そんな想いで10年間くらい大事に見守っていきたいチーム/世代が現れたことは確かな気がする。天才が錆びつかず、ひ弱さが改善されることを祈って。