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KYODO HOUSE -Art of Living 近藤ヒデノリのブログ

クリエイティブディレクター\編集者\ソーシャルアクティビスト 近藤ヒデノリのブログ

生物と無生物のあいだ

茂木健一郎内田樹吉本ばななという強力な3人の帯のプッシュにつられて購入。不慣れなジャンルなので読むのに意外と時間がかかったけど、「生命とは何か?」という著者自身が大学初年度にもったという疑問を、野口英世をはじめ、いろんな科学者を交えて説明していく展開に引き込まれる。まず一つ目の定義は、

生命とは自己複製を行うシステムである

それを裏付けるのがDNAの二重ラセン構造。お互いにパズルのようになった「相補的」な構造が複製を生み出していく。だけど、著者も言うように、これだけでは何だか味気ない。たとえば砂浜にある貝殻と砂粒の違い。その時、貝殻に感じる秩序の美しさから、もっと他の定義ができないだろうかと。そして、シェーンハイマーという科学者が発見した「動的な平衡状態」という考え方を発展させて次のように定義する。

生命とは動的平衡にある流れである。

外から入ってくる分子と、中から出ていく分子という流れの中で一定の秩序を保っているもの。著者の喩えで言うなら、砂上で寄せる波が砂をさらって行く中で形を保ち続ける「砂の楼閣」。形は常に一定に見えるけど、内部は常に動きの中にあるということ。

これを読んでいて、ずっと前にインドでバングラッシーを飲んで完全にイってしまい(もう時効だと思うけど)、街を走るリキシャの上で朦朧とする中で見た幻想を思い出しました。自分の身体がなぜか裸で宙に浮かんでいて、身体の輪郭が曖昧になって外からも中からも何かの流れが出たり入ったりしている。しかも、そんな状態で高速で宙を飛んでいる(笑)。ひょっとして、あのとき見たイメージって生命の本質だったの?!(笑)。そういえばヨガをやっている時にも「自分のからだを拡張して世界とひとつにして…」と言われたりするけど、東洋思想は古来からそんな生命の本質に根ざしていたのか?

別のいい方をすれば、オシムの日本代表でメンバーが入れ替わっても一定のスタイルが保たれていてチームとしては変わらないように見える。その場合のチームが生命といええるのかもしれない。他にも、組織とか、広告キャンペーンとか、いろんなものに当てはまるような気がする。

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)