KYODO HOUSE -Art of Living 近藤ヒデノリのブログ

クリエイティブディレクター\編集者\ソーシャルアクティビスト 近藤ヒデノリのブログ

写真\陶展「光の森」太田章彦\勇木史記 開催中!(6月18日〜26日・日曜まで)

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島根隠岐諸島のひとつ、海士(あま)町を拠点に創作を続ける真家・太田章彦と陶芸家・勇木史記による2人展。先週末のオープニングパーティーを経て、今週末まで開催中です!

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通常のギャラリーでの展示ではなく、「家」という暮らしに近い場所で作品を感じてほしく、今回は地下のギャラリースペースと、地上のロフトスペースやリビングにも展示中。

住民わずか2500人あまり、その2割がIターン移住者という海士町。近年「地域創生」が唱えられるずっと前から「ないものは、ない!」という意味深いキャッチフレーズのもと、独自の教育再生や産業創出、独自の観光などを通じて、破綻寸前だった離島の町が奇跡の復活を遂げた成功事例として知られている。

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僕自身、たまたまKYODO HOUSEの制作にあたって木材で協力してくれた友人で島に住んでいた竹本くん(トビムシ)から、呑むたびにこの島の魅力を聞いていて、去年、初めて仕事で訪れ、町長をはじめ、熱い人たちに知り合ったのが今回の展示のきっかけだった。(この時会った阿部さん、信岡さんの「巡の環」による「僕らは島で未来を見ることにした」、彼らが移住するきっかけになったという町長による「離島発、生き残るための10の戦略」などは、都会に住む人にとってもこれからの未来の暮らし方、生き方を考えるうえでおすすめ)

 

本題に戻ろう。
太田君は、そんな海士町独自の「マルチワーカー」という制度で、季節ごとにホテルや漁師、岩牡蠣、ナマコ、島独自の冷却工場CASなどで働きながら写真を撮っている。四季を通じた海士町の日常で、時折見える奇跡のような光、海、森、そして、友に働く人や友人、目玉焼き。海士町の豊かな自然に抱かれて生きる日常が、タイトルにもある溢れる「光」とともに定着されている。

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今回僕も初めて会った勇木さんは、海士町作り始めて約10年あまり。陶芸素人の僕にはまだあまり語れる言葉はないけど、オープニングトークで彼が「生きざまを作品にしたい」と言っていたのが印象的で、海士町の「土」と彼の「人柄」がそのまま陶器になったような……その濃いめの色、ざらついた素朴な手触りが気持ちよく、味わいがある。先日も彼が地下のギャラリースペースでしばらく静かにしているな〜と思っていると、「この壁の向こうは土なんですよね、感慨深いです。滞在中に一度ここで寝てみたい」と言っていたりする。

 

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土と生きる。サティッシュ・クマールの「Soil, Soul, Society 」という言葉を思い出しつつ、アスファルトに覆われ、土に触れることさえ非日常になっている都会でも、彼の陶器を手に握っていると、その大切さとパワーを感じる。


海士町から、自然と暮らす二人の手から生まれた作品を
この機会に是非見て、感じてみてください! 

 

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写真\陶展「光の森」太田章彦\勇木史記

会期:2016年6月18日-26日(日)
   午後1時〜午後7時まで(最終日は午後3時まで)
場所:KYODO HOUSE(世田谷区経堂)

 

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「離島キッチン」の佐藤さんもゲストに、隠岐の食材と酒を満喫させて頂いたオープにイングパーティー。僕の誕生日でもあったので最後にサプライズで祝って頂いた。

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会期中、勇木さんの器を使っての近所の仲間を招いた食事会。

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<プロフィール>
太田 章彦
1989年、島根県生まれ。ビジュアルアーツ専門学校大阪の写真学科を卒業後、祖父母の住む島根県浜田市弥栄町に移住する。そこで限界集落について作品制作を始め、「豊かさとはなにか」をテーマに「blowin' in the wind」を発表(Nikon Juna21受賞)。その後、島根県隠岐諸島のひとつ海士町へ移住。東京写真月間2015国内企画展招待作家。


勇木 史記
1980年、広島県生まれ。2005年、奈良教育大学学院教育学研究科修了後、隠岐海士町で作陶活動を始める。2008年、脇田宗孝氏より『隠岐窯』命名、開窯。受賞歴は2013年、第30回記念田部美術館大賞 「茶の湯の造形展」入選、2014年 、第7回現代茶陶展(セラトピア土岐:岐阜県)入選など

佐藤 喬(トークショーゲスト)
1976年、秋田県生まれ。2000年、早稲田大学大学院を中退後テ
レビ制作会社に入社し、広告制作会社勤務を経て、2009年、島根県隠岐郡の海士町観光協会が公募した “行商人” に採用される。海士町のみならず全国の離島の名物料理を集め、キッチンカーで移動販売する「離島キッチン」を自ら企画し、同年10月から首都圏にて営業をスタート。2015年9月に神楽坂店を開業。

 

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