skmt2、sntg、iki
インタビューと「編集」作法を教わり、TSを始める後押しをしてもらった後藤繁雄氏の本2冊。「skmt」は、そんな彼が友人、坂本龍一にストーカーのようにインタビュ−しつづけたものを、まとめようとしない「開放系」の編集で本にしたもの。世界のいろんな都市で話されたぶつぎりの言葉、ティルマンズのように配置されたスナップ写真が、この時代に、動きながら考え、表現し続ける大人2人の姿をよく見せていて刺激的。
そして「ラディカルな意志のスタイル」というヒジョーにカッコいいタイトルの本を持つソンタグ。急逝した彼女の京都造形大での追悼イベントをまとめた本。これも後藤氏の監修。それにしても精力的…!僕はソンタグには少し縁があって、まず叔父が彼女の「写真論」の翻訳者だったので、以前から彼女の著作に親しんでいたこと、彼女が2002年にフィリップモリスアートアワードの審査員として来日した時に、作品を出展していた僕は彼女とちょっとだけ話せたこと。惜しくも僕はNY招待への最終の数人には漏れたのだが、彼女が自分の作品を推していてくれていたと言ってくれたのが勇気をくれたのを覚えている。この時が彼女の来日の最後の機会になったらしい。映画好きで、批評家であり、作家であり、戦時中のサラエボにわざわざ行って劇の演出までしたソンタグ。言葉を大切に、行動し続けた人。このイベントへの参加者と後藤さん同様、彼女の意志を受け継いでいきたいっす。
「いき」の構造。粋、意気、生き…2回重ねると「いきいき」。日本文化の「クール」を、芸者や遊女を題材に当時パリの哲学界にいた著者が(変わった名字だな)、「粋とは、2者の間での緊張関係をベースにした媚態である。」などという風に論理的に突き詰めている。岡倉天心といい、彼といい、日本文化を相対的にわかりやすく語る人には海外在住経験者が多いな。
- 作者: 坂本龍一,後藤繁雄
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 2006/12/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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スーザン・ソンタグから始まる/ラディカルな意志の彼方へ (アート新書アルテ)
- 作者: 後藤繁雄,京都造形芸術大学RCES芸術編集研究センター
- 出版社/メーカー: 光村推古書院
- 発売日: 2006/11
- メディア: 新書
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- 作者: 九鬼周造
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1979/09/17
- メディア: 文庫
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