KYODO HOUSE -Art of Living 近藤ヒデノリのブログ

クリエイティブディレクター\編集者\ソーシャルアクティビスト 近藤ヒデノリのブログ

広告とアートの間で

気分転換にページデザインなど変えてみました。
同じ白ベースなのであんまり変ってないけど、文字も少し大きくなったので(悪文だけど)少し読みやすくなったような。
また、以前に適当につけたタイトルはずっとわかりにくいと思っていたのだが、愛着も出て来たのでそのままにして、サブタイトルに「広告とアートの間で」とつけてみた。

ここ数年、僕は広告とアートという一見、水と油のような領域に足をつっこみながら活動している。「どうやって2つのモードを切り替えているのか」と聞かれたことも一度ではない。どっちもやるということは非効率ではあるし、どっちも片手間に見られがちではある。正直なところ、NYから戻って2年ほどは僕の中で重要度は「アート>広告」と明らかに分けていて、広告は食べるための手段としか思っていなかった。でも、その後少しずつ僕の中で広告の占める割合が上がってきて、今では(時間的には明らかに「広告>アート」だけど)意識の中での重要度としては、ほぼ「広告=アート」になっている。

年末にアーティストの田中功起くんが、「アートも広告もどちらも従来の<フォーム/形>を変えるところにこそ価値がある」というようなことを言っていた。アートというと「変った人が好きなことを自由にやっている」という間違ったイメージがあるけど、そうではないということ。それぞれの分野には、それぞれの歴史/文脈があり、どちらの領域でもそうしたフォームを変えるところにこそ、見かけだけじゃない本当の新しさ/創造がある。

表現の評価というのは、最終的には各分野の文脈に照らし合わせて行われる。そういう意味では、両方の領域で発表することは非効率かもしれない。でも今のところ、僕は単純に「やりたいことを、やらずにいられないことをやっている」としか言えない。逆に見れば、両方の分野に属している人は少ないし、複数の領域に属しているからこそ見えてくる視点もあると思う。

振り返っても、自分が双子座だからではないとは思うけど、いつもどこか一つの集団に属するよりもサッカー部とクラブ仲間とか、大学仲間と専門学校仲間、写真とアートというように複数の集団/領域に属するのを好んでいた気がする。今年からはさらに、会社でも広告制作とコンテンツ制作の2つの部門に「複属」になる。日本だと、一つのことをする/集団に属していることが「ピュア/純粋」と関連づけて美徳とされることが多いけど、複数の領域に属すること/ハイブリッドであることが逆に強みであることも多いのではないか。

とりあえず僕はまだ、広告/アートという従来のジャンルに関係なく、むしろ「その間」に、これまでにないものをつくっていきたいと思う。自分の面白いと思うこと、わくわくすることを、やらずにはいられないことはすべてやる。自分の中で分けて制限することなく、すべて全力でやっていきたいと思う。なんて、体が持つかがちょっと不安だけど…。