KYODO HOUSE -Art of Living 近藤ヒデノリのブログ

クリエイティブディレクター\編集者\ソーシャルアクティビスト 近藤ヒデノリのブログ

広告の概念を拡張する

広告は今、これまでのように単に企業やブランドの言い分を一方的に伝えるものから、BE(ブランデッド・エンターテイメント)のように、ターゲットと強い絆をつくるために形を変え始めている。

しばらく前の「BMW Films」、最近で言えばSONYの海外版「BRAVIA」、資生堂「UNO」の吉本の芸人たち、日清の「FREEDOM」で広告をきっかけに大友克洋の映画を制作したように。
そんな先輩が創り始めてくれた流れをもっと先へ押し進めたいと思う。

そんな中で広告じゃないけど、最近気になっているのが、映画「ZIDANEー神が愛した男」でコンセプチュアル・アーティストとハリウッドの製作陣が組んで製作した、通常の意味での映画でもドキュメンタリーでもない、新しい「何か」。もう一つは、惜しくもボツにはなったが、横浜トリエンナーレの(元総合ディレクター)建築家の磯崎新が提案した、建築界とアニメ作家とアーティストのコラボレーションによる、アートでも建築でもアニメでもない「何か」。

今までのジャンルを越えてワクワクするもの。
僕が今、足をつっこんでいる広告というフィールドで、
そういう「何か」がつくっていけないだろうか。

広告を、もっと人々がワクワクとさせるものに、
世の中を豊かにするものにしていけないか。

広告を単に企業やブランドの所有物としてではなく、
もっと社会的なもの、文化の一部として捉えられないか。
純度の高い広告然とした広告から、他分野との境界があいまいで
ハイブリッドな、文化の一部としての広告へ。

そのために広告にもっと広告界以外のジャンルの人を引き入れていきたい。音楽界、映画界からはすでにかなり流入しているが、他にも演劇界、建築界、ファッション界、アート界などなど。中でも日本に残された最後のマイナー領域、アート界がマイナーだからこそ、起爆する力を秘めていると思う。これからの日本でアートは投資対象としても価値がどんどんあがってくるはずだし、そもそも既成の価値を変換するのがアート。TSといういわばフィールドワークで知り合ったアーティストたちも機会を見てどんどんと巻き込んでいきたいと思っている。

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