KYODO HOUSE -Art of Living 近藤ヒデノリのブログ

クリエイティブディレクター\編集者\ソーシャルアクティビスト 近藤ヒデノリのブログ

GEISAI

GEISAI、初めて行ってきました。
村上隆さんがやっている若手発掘の一日限りの展覧会@東京ビッグサイト

今年ですでに8回目?だそうですが、
なぜかいつも逃していて、今回はTSでインタビューした新野圭二郎くん「GEISAI」出してみる、都と言ってたこともあって、見物に行ってきた。
オタクのコミケをモチーフにしたというこのGEISAI、いやー、すごい人数というか、密度。それにしても、村上隆の亜流が多すぎる…アニメ作家になろうとしたけど、才能がなくて急遽変更「アーティスト」になる、ってちょっと甘過ぎないか。村上隆さんのような人はそんなにいらない&10匹目のどじょうはもういないだろう。

その他、会場では古いNY時代の友人で「editon 100」というアーティストによる限定本をつくっている福本タクヤくんに会ったり、新野君のこれまでの総集編的な展示と新作の、団塊世代のおじさんを(本当に)壁に挟んだインスタレーション作品も見れてよかった。この新作、以前から構想は聞いていたけど、こうして実現してみると思った以上に面白い。白い壁の前に置かれた小さな壁に挟まれて、顔と胴体は見えず(自然に)ヒクヒクと動くおじさん。今日一に合わせて3交代制で雇っているとか。やはり思わず低賃金労働者を集めてただギャラリーの中で壁を支えさせた展示を行ったサンチアゴ・シエラの作品を思い出すが、これはこれで、それを日本社会という文脈に置き換えたと言えるだろう。明らかに、GEISAIの中で異彩を放っていた。本人は男性ストリート誌とファション誌の賞しかもらえず「微妙ですねー…」とたいそう悔しがっていたが。

ともかくGEISAIは今年で最後とか。
これだけ村上隆に似たようなのばかり再生産されるようだとしょうがないだろう。日本に絶望した村上隆はまたアメリカに戻るとか。彼が、ある意味閉ざされていた日本の現代アートの扉を世界へ向けて、半ば強引に戦略的にきっちりとこじ開けたのは事実。問題はその次だ。


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