KYODO HOUSE -Art of Living 近藤ヒデノリのブログ

クリエイティブディレクター\編集者\ソーシャルアクティビスト 近藤ヒデノリのブログ

写真と音の共鳴ーPrimal Gravity

日曜日、中目黒で行われた井島健至(写真)+古田秘馬(音楽)によるPrimal Gravityというイベントに行ってきた。井島くんとはNYつながりで知り合って以来、時々飲んだりしていてハガキやポートフォリオでは見たことはあったんだけど、ちゃんと見るのは初めて。

まず泥酔してるとこしか知らなかった相方の秘馬のピアノ、クラシックな6人編成による本格的な音にちょっと驚く。あれ?今日ってライブが中心だったのかと。先週の大友由英のライブの前衛的/実験的なイメージとは対照的にオーソドックスなんだけど、ただそうともいえない。アジアのいろんな珍しい楽器を織り交ぜ、途中で入るギターも冴える。半分以上がオリジナル曲。どこか坂本龍一とだぶる、このジャンルの技術的なことはよくわからないけど。

音に合わせて、井島くんの写真がスライドでゆっくりと上映される。イメージの多くは日本各地の聖地などで撮られた風景。きれいな風景写真って、ともするとクリシェになると思うけど、そういうのを抜きになんだか直感的に入ってくる。客席にいた大人っぽくて綺麗な女の人たち(ってオレも大人だけど)もうっとりしているような。人のいない風景と音が共鳴し、いろんな記憶を呼び起こす。去年の正月に富士山に昇って雲の上に沈む夕日を見たときの、純粋に身体で感じる体験を思い出す。あの時は寒さがその体験をいい意味で特別なものにしていたけど、この日の場合は音楽がそれにあたる。

ああ、写真と音がいい出会い方をしているなと。音と絵というと、ふつうどちらか片方が相手の伴奏なりイラストになってしまうのが多いけど、この二人にはいい具合に力が拮抗していて、よくいう言い方だけど1+1>2になっていた。
井島くん+秘馬、やるなぁ、本格派だなぁと認識した夜。