KYODO HOUSE -Art of Living 近藤ヒデノリのブログ

クリエイティブディレクター\編集者\ソーシャルアクティビスト 近藤ヒデノリのブログ

話し合いと喧嘩

土曜日は朝から晩までCFの撮影。始まる前に、いきなり得意先への対応の仕方をめぐって営業の人と大げんか。「得意先に言われたことにはイエスと言えばいいんだ!何でいちいち文句を言うんだ?!」と金切り声を挙げる営業の人に対して、普段至って穏やかな僕も、思わず言い返してしまったのだ。何も僕は文句を言っているつもりはない。ただ言われた意見に対し、こっちの考えを言って話し合いましょう、というだけだ。何にでもイエスといっていては単なる受注産業になってしまうし、まともな得意先はそんなことを望んでいないはずだ。

そういえば、英語に比べて日本語は議論がしにくいと以前に思ったことがある。
ひとつは敬語と目上への気遣いの問題、黙っていることの美徳の慣習だ。何かいうということが、すでに生意気なと見なされる。敬語のない英語に対して、日本語だとまず完全に対等に意見を戦わせるということがやりにくい。
もうひとつは、日本語は主語がなくても文章が成立するせいか、人が発する言葉が、その当人と強く結びついているということだ。だからその人が言っていることを否定すると、言っている内容ではなく、言っている人そのものを否定しているように見えることが多い。言葉で戦うということが、見えない概念上で戦うというより、当人同士の戦いに見えてしまうのだ。

結果的には撮影もうまくいき、得意先とも別に信頼を損なうことなく終わった。
来週早々から編集、仕上がりが楽しみだ。