GABRIEL OROZCO
アーティストというと、アトリエを持ってそこで絵を描いて、というイメージが強いかもしれない。でも、コンセプチュアルアーティストのガブリエル・オロツコ(メキシコ出身)は1980年くらいから自分のアトリエを持たず、世界中の美術館で展示をして回っているらしい。
photo: Gabriel Orozco. La DS - 1993
http://www.mairie-marseille.fr/vivre/culture/musees/mac.htm
そんな彼の作品のひとつに、シトロエンのDSというフューチャリスティックな車を真っ二つにして間を抜き去り、一人用の車にしてしまったものがある。デュシャンのレディメイドの2番煎じだとか、フランスの消費文化の象徴だとか、いろんな解釈はあれど、僕はこの作品に彼なりの「旅」の美学みたいなものを感じる。旅は基本的には、ひとりでするものなのだ。ちょうどいい道連れがいれば、それもたまにはいいけど。