KYODO HOUSE -Art of Living 近藤ヒデノリのブログ

クリエイティブディレクター\編集者\ソーシャルアクティビスト 近藤ヒデノリのブログ

【メディア掲載】Webマガジン「せたがやンソン」にインタビュー掲載

東京・世田谷の真ん中・世田谷ミッドタウンからつたえる「暮らしと住まい」の情報サイト「せたがやンソン」にロングインタビューを掲載いただきました。

KYODO HOUSEに至るまでの歩みから、ここに住んで2年あまりの「家」での様々な活動について、丁寧に聞いて書いてくれてうれしい。サイトには他の地元仲間がいろいろ掲載されていて楽しいです。こういう地元発のローカルマガジンによって、もっともっと世田谷が素敵なところになってほしい!

長いですが、ご笑覧ください。 

経堂|KYODO HOUSE|近藤ヒデノリさん |

 

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【メディア掲載】OPEN HOUSE magazine(スペイン)に掲載

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スペイン発のインディペンデントマガジン「OPEN HOUSE」にKYODO HOUSEが掲載されました。主に、家のつくりというよりも、「The Art of Living」という言葉に込めたKYODO HOUSEでの暮らし実験の想いについて、大学教授でもあるニックさんにじっくりと話を聞いて書いていただきました。まだまだ少しずつですが、都会の暮らしのなかでできることを、いろいろ実験していきたいと思っています。

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KYODO HOUSEーTHE ART OF LIVING

東京郊外に建つ名和晃平が手がけたこの住宅は、
アートと環境の家、そして日本の地域コミュニティへの回帰である。

きれいだけど古びていて、インターナショナルなようで間違いなく日本的。そんな美しい外観を持つKyodo Houseに気づかず通りすぎるはずはない。昼間、もしくは晴れた夜空の日にでも到着していれば、近所の人を怖がらせることもなく、すぐに見つけることが出来ただろうに、よりによって到着したのはひどい雨の晩。空港に始まり、もつれあう触手のような東京の地下鉄、名もなき路地、東京の南西に位置する世田谷にたどり着くまでは最初から大変だった。思いがけない夜中の“ガイジン”の出現。僕のたどたどしい日本語が生んだのは、警戒心と敵意だった。ここじゃない。隣。ただ、彼らは恐れながらも、方向は示してくれたのだった。

近藤ヒデノリ氏と妻のあゆみさん、そして娘のそらちゃんは、自宅をその時々のAirbnbのゲストとシェアしており、その時に滞在していたのは僕の以前のパートナー、カルラ(Openhouse Issue No.6: Varda residencyに登場)だった。美味しい緑茶と僕の香港土産のゴジベリーをつまみながら、ヒデとKyodo Houseについて話した。名和晃平が手がけたこの住宅は、アートと環境の家、そして日本の地域コミュニティへの回帰である。

銅精錬所の遺構を活用した、犬島精錬所美術館にインスパイアされたKyodo Houseを手がけたのは、京都で多様な表現を展開するSANDWICHで活動する、アーティスト・名和晃平と建築家・古代裕一、ローエナジーハウス・プロジェクトの山田英幸。彼らの、散在しつつも同質の精神、そのコラボレーション作品といえる。「アート、環境、多様性、開放、未完成」という、ヒデとあゆみさんが提示した謎めいたキーワードと、名和の幾何学的な絵画「Direction」を基に、建物は2015年に完成した。

 美しさで最も惹き付けられるのは、家の外観だ。アシンメトリーに積まれた、アンバランスともいえる箱、名和による傾斜した木のダークなファサード。製材所から集められた様々な樹種の古材の圧倒的な木の存在感が、環境への意識を強く感じさせる。“カワイイ”敷地には、小さな家庭菜園と垂直な庭(まさに都会にしかありえないもの)。内装は白い壁とパイン材で、明るく開放的。リビングの吹き抜けには、高くそびえる美しい本棚。そこに並ぶ数々の本は、本でしか醸し出せない、控えめな暖かさを生み出している。

 サステナビリティは、この家のとても重要な特徴である。家の内部構造は、温められた暖気を自然に上昇させ、循環パイプを通して地下から吸い上げられる冷たい空気と入れ替える。この自然のエアコンによって、日本の過酷な蒸し暑さも快適に過ごせるのだ。また、家の主要部分はパッシブソーラーデザインに従い南向きに配置されており、冬は太陽の熱を最大限に取り入れる。外壁に使われている古材は、日本が環境との不安定な関係に直面していることを思い起こさせる。特に、伝統的に神聖とされている山や森との関わりにおいて。屋根は雨水を溜め、ゴミはパーマカルチャーの考えに習いコンポストへ。このようなことは地方や、小規模都市で行われることが多いが、東京都心ではほぼ前代未聞といえるだろう。

Kyodo Houseのモットーは、「the art of living」。アートの世界に長く携わってきたヒデは言う。「アートのためのアート、アート業界のためのアートにはもううんざり。もっと興味があるのは、生活をより良くするための発想やテクニックとしてのアート。ヨーゼフ・ボイスの「社会彫刻」の概念に共感して、自分の生活を「生活彫刻」にしたかったんだ」住宅はこの点において重要な一面を担い、だからこそ、そこに住む家族の延長線にあるものとなる。これは多くの家族、そして彼らが住む家にあてはまるだろうが、ここまで意図的にやったのは稀だろう。

Kyodo Houseは、自宅兼Art of livingのテーマに基づいたコミュニティスペースとしてデザインされており、エキシビジョン、ダンス、パフォーマンスアート、ワークショップ(味噌作り、パーマカルチャー、アーバンデザイン、エディブル・ガーデン他)、レクチャー、上映会、そしてもちろん、パーティー、など様々なイベントを行うことで地域に開放されている。(これはプライバシーを重んじる、たいていの日本人家庭ではありえないことである。)また、アーティストが滞在したり、国内外からのAirbnbのゲストにも部屋を貸し出している。

はたしてこの家の意図するものは、日本の伝統的価値観を補うものなのか、それともそれと衝突するものなのか。ヒデはこれについて、「Kyodo Houseは実際、それらの価値観を再び呼び覚ます、または新たに想像するものである」と語る。日本の田舎の伝統的な家屋には、近所の人が集まりふれあいの場となる、縁側と土間という共有スペースがあり、日本各地の寺や茶室には、芸術と建築を融合させるための、歴史を通した献身的な試みが見られる。しかしながら、日本が戦後に向かったのは経済発展、工業化、都市化への道。経済発展(日本の奇跡)と共にもたらされたのは、人口過剰ゆえの孤立、孤独感、憂鬱感、そして型通りの生き方。Kyodo Houseは、ハイパーモダンな東京の文脈において、日本の伝統的価値観へのアート的回帰を触媒する試みである。

しかしながら、少なくとも僕の心の中では、このコミュニティの価値はまだ実現途中であり、完成されてはいない。物理的にではなく、哲学的にである。まだコミュニティハウスと感じることが出来ないのだ。それよりも、コミュニティの特定の要素を、選ばれた場面に呼び寄せているだけに思える。ある意味、この家の現実は、まだ彼らが先導する政治的、倫理的基盤に追いついていない。おそらく、その主たる理由は日本そのものではないかと思う。日本は1860年まで200年以上、国境を閉ざしていた国である。誰もが知るほど近未来的でありながら、とても古風で、堅苦しくもある。Kyodo Houseが繰り返し提唱する、地域と環境、コミュニティの価値、そしてArt of livingは、もはや新しいアイデアではない。とはいえ、多くの面で賞賛に値するほど、彼らはいわゆる日本的なるものから外れているのだ。

したがって、Kyodo Houseがソーシャルプロジェクトとして直面する数々のハードルは文脈的で、それらを乗り越えるための推進力が彼らを個性的にしていく。豊かさが国とその人々にもたらした影響について考えるようになったばかりのこの国において、新たな可能性を見出そうとする試み。東京において、それは先駆的な考え方と言える。福島の恐ろしさは今も続いている。一刻も早い変化が求められるのではないだろうか。

Kyodo Houseは、プライベートとパブリック、世俗的なものと神聖なもの、機能性と美しさ、これらの間のバランスをとろうと試みている。それはとても理想的だが、捉えどころがない。美しい家、そして美しいアイデア、それがKyodo Houseである。

文章:ニック・パーキン Nik Parkin 
写真:清水 謙 shimizuken.com
訳:佐藤 夏美translated by Natsumi Sato

 

人形劇\沢則行ひとり芝居\いいだ人形劇フェスタ

 

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みなさん、人形劇って見たことありますか?


僕自身、最後に見たのがいつだったのか思い出せないほどですが…ご近所の友人の音楽プロデューサー、佐東さんに紹介されて初めて「いいだ人形フェスタ」のことを知りました。江戸時代の半ばより人形浄瑠璃が盛んだった長野県飯田市で、1979年から前身の「人形劇カーニバル」が20年開催され、一旦終了後、再び市民の手で開催されるようになって19年。

今年も8/1~6まで6日間、飯田市とその周辺地域で開催される「いいだ人形劇フェスタ」に国内外から人形劇団が集結する数、なんと500以上!

世界のプロ劇団からアマチュア劇団、学生劇団まで、現代人形劇や伝統人形芝居など幅広いジャンルの人形劇が楽しめるそうです。しかも飯田市は、温泉と焼肉の街でもあるそうで、まずは子どもを連れてこの夏、実際に観に行ってみたいと思っています。

前置きが長くなりましたが、そんな今年の「いいだ人形フェスタ」で巨大人形劇「さんしょううお」(過去の映像を拝見したところ大迫力!紹介してくれた佐東さんが、その作曲・音楽監督を務めるそうです)を上演するプラハ在住20年の人形師、沢則行さんをKYODO HOUSEにお招きして、ひとり人形劇を上演頂きます。

僕自身、まだ実際の上演は見たことないんですが、過去映像を見ると、魚や豚などの生き物や童話を題材に仮面を被って上演したり、影絵を使っていたり、「フィギュア・シアター」というチェコ人形劇の手法と沢さんの軽妙な語り口が相まって「人形劇」の概念が広がります。沢さん曰く、

 「チェコでは、19世紀ぐらいから、各家庭に小さな人形劇舞台があって、誕生会や家族のパーティで近所の人や友達を集めて上演していました。大人が子どもたちに見せる、というだけじゃなく、子どもたちがお爺ちゃんやお祖母ちゃんに演じて見せる、みたいな。今でもチェコの各自治体には、公立の人形劇場、劇団があって、地域の人たちや、その地区の学校は、毎学期、鑑賞に訪れています。つまり人形劇を通して、地域づくり、社会づくりを続けてきた国なんです。」

全然知りませんでした。たしかに、通常の人形劇はサイズが小さいぶん、大きな劇場で観るより、家や学校などで家族や仲間と観るのにぴったりかも。人形劇がつなぐ、地域の人とコミュニティー、KYODO HOUSEにもぴったりです。

さらに当日はパフォーマンスの他、沢さんから「いいだ人形劇フェスタ」の概要も紹介してくれるほか、この日のために「いいだ人形劇フェスタ」実行委員長原田さんが飯田市名産のお酒を届けて下さるそうで、人形劇を囲む楽しい夜になりそうです!ありがたい!

KYODO HOUSEで、生で触れる人形劇文化と日本有数の「いいだ人形劇フェスタ」の予告編、お酒を味わい尽くす夜。惹かれるものがあったら、この夏、みんなで一緒に「いいだ人形劇フェスタ&温泉&焼肉ツアー」に行くのもいいかもしれません。

この貴重な機会に是非!

参加希望の方は、だいたいの人数を把握したいので
こちらのFacebookイベントページ 人形劇\沢則行ひとり芝居\いいだ人形劇フェスタで「参加」ボタンを押してください。

 

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人形劇\沢則行ひとり芝居\いいだ人形劇フェスタ

日時 6月17日(土曜)18:30 開場
場所:KYODO HOUSE
スケジュール
18:30 開場 
19:00  「いいだ人形劇フェスタ」について紹介  
    飯田市名産・銘酒ふるまい。 
20;00 沢則行ひとり芝居 (ー21:00頃まで)
22:00 閉場

入場無料:持ち寄り+ドネーション
お酒や食べ物など持ち寄りでお願いします。

沢 則行(さわ のりゆき)
1991年に渡仏。92年に文化庁在外研修生で、チェコへ。プラハを拠点に世界各国で公演。また、チェコ国立芸術アカデミー演劇・人形劇学部、米国スタンフォード大学演劇学科、シカゴ大学、ロンドン人形劇学校など、多くの教育の現場で講座、ワークショップを指導した経験を持つ。1999年、ヨーロッパ文化賞「フランツ・カフカ・メダル」授与。2009年、セルビア・スボティツァ国際児童演劇祭で演技賞、音楽賞をダブル受賞。2011年にはポーランド・カトヴィツェ市よりEU文化都市賞が送られるなど、国際的受賞多数。 日本国内でも、NHK「ようこそ先輩・課外授業」出演、みんなのうた」映像制作、 2015年さっぽろ雪まつり、大雪像×人形オペラ「雪の国アリス」芸術監督などをつとめる。

*KYODO HOUSEのお金に対する考え方
Passion is Priceless\Barrier Free\Pay it Forward\Share the Abundance
KYODOO HOUSEは「The Art of Living」をシェアするための個人宅&シェアスペースとして「お金」との新しいつきあい方についても考えていきたいと思っています。情熱に値段はつけない。お金があるなしに関わらず、価値に共感する人に来てほしい。次代への恩送り。豊かさをシェアすること。お互いが利用し合うのではなく、ギフトから始まる関係を育てていきたいと思っています。よろしくお願いします!


協力:

www.iida-puppet.com